自分が統合失調症であるという診断を認めない(いわゆる「病識」がない)、あるいは医師に対する不信感などから病識が不足している患者が多い。(アメリカでの400人以上の精神障害者を対象にした調査では統合失調症患者の60%、統合失調情動障害患者の約25%に病識がなかった。つまり、「本当は病気で無いけれど強制されて治療を受けている」、「本当はどこも悪くない」、といった考えを持つ症状が見られるという事である。[17])
また、遂行能力(複雑な仕事や課題を順序だてて行ったり、同時に二つの課題を行うことなど)、社会的な状況の判断能力、将来に対する計画性など、現実検討力が通常の範囲を逸脱する程度に低下している患者も多い。
感情の障害 [編集]
抑うつ・不安を伴うこともある。
CT・MRI [編集]
側頭葉・頭頂葉の灰白質の体積の減少を認める。白質の体積は減少していない。
SPECT [編集]
課題遂行中や会話時に通常見られる前頭前野の血流増加が少ないという報告がある。
診断 [編集]
統合失調症で一番目立つ症状は被害妄想と幻聴。 しかし必ずしも上記の症状が現れるという訳ではないので注意が必要。
治療 [編集]
外来治療と入院治療に分けられる。薬物療法が大きな柱となるが、その他の治療法も病相の時期(急性期、慢性期など)に応じて適宜選択される。いずれにせよ、専門医(精神科医など)に受診、相談することが望ましい。
支援者として、精神科医・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士・音楽療法士などが専門職としてあげられる。
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統合失調症のみならず精神障害の治療や保護、社会復帰などは、一般に精神保健福祉法にのっとって行われなければならない。
薬物療法
主にドーパミンD2受容体拮抗作用を持つ抗精神病薬(日本では20数種類が使用できる)の投与が、陽性症状を中心とした症状の軽減に有効である。近年、従来の抗精神病薬よりも、副作用が少なく陰性症状にも有効性が高いなどの特徴をもった非定型抗精神病薬と呼ばれる新しいタイプの薬剤(リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン)が開発され、治療の主流になりつつある。さらに、最近アリピプラゾール、ブロナンセリンが加わり、日本では現在6種類の非定型抗精神病薬が使用可能となっている。ただ、非定型抗精神病薬が治療の質を向上させたのは事実であるが、新たな問題もある。副作用面では、オランザピン、クエチアピンが稀に高血糖・糖尿病を誘発することがあるなどの新たな副作用にも注意が必要である。また、医療経済的に見るとオランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールなどの薬価が非常に高く設定されていることにも批判的な意見もある。
精神病薬の一般的な副作用として、黒質線条体系のドーパミン拮抗作用によるパーキンソン症候群、錐体外路症状、アカシジア、ムスカリン拮抗作用による便秘、口渇、眼のかすみ、抗ヒスタミン作用などによる眠気、体重増加など、抗アドレナリンα1拮抗作用による低血圧が生じることがある。また、統合失調症に抑うつ症状や強迫症状を伴う場合などに抗うつ薬を、不安症状が強い場合に抗不安薬を、不眠が強い場合に睡眠薬を併用することもある。
心理教育
薬物療法によって陽性症状が軽減しても、自らが精神疾患に罹患しているという自覚(いわゆる「病識」)を持つことは容易ではない。病識の不足は、服薬の自己中断から再発率を上昇させることが知られている。病識をもつことを援助し、疾患との折り合いの付け方を学び、治療意欲を向上させるために心理教育を行うことが望ましい。また、患者本人のみならず、家族の援助(家族教育)も行うこともある。精神保健福祉士が主に担当。
ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)
統合失調症を有する患者は、陰性症状に起因するためと、社会的経験が不足しがちなことにより、社交、会話などの社会的技能(ソーシャル・スキル)が不足していることが多い。それらの訓練として、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)を行うことがある。デイケアプログラムの一環として行われることが多い。精神保健福祉士・作業療法士が主に担当。
作業療法
絵画、折り紙、手芸、園芸、陶芸、スポーツなどの作業活動を主体として行う治療。非言語的な交流がストレス解消につながったり自己価値観を高めたりする効果がある。病棟活動やデイケアプログラムの一環として行われることが多い。作業療法士が担当。
心理療法
薬物療法と並行して、疾患の心理的な受容、疾患や治療に伴い経験した喪失体験の受容などを援助するために個人精神療法を行うこともある。臨床心理士が主に担当。
社会的援助
治療や社会復帰をすすめるために必要な福祉制度、精神保健福祉法の活用、様々なアドバイスなどの社会的援助を、精神保健福祉士(精神医学ソーシャルワーカー;PSW)などが支援する。看護師と精神保健福祉士が協働する訪問看護などもある。
その他の治療法
難治例や緊張病などで興奮が著しく緊急を要する場合や、重篤な抑うつ症状を伴う例では電気けいれん療法 (ECT) を行うことがある。その他、認知行動療法を行うこともある。